最初にBTSの動画をYou Tubeで見たときには衝撃を受けた。(2018年11月頃)
「idol」という曲だったんだけど「え?」というほど動きが早く野生的。
日本のアイドルには全くいないタイプだ。
日本でも運動神経が良いと思われる男性アイドルはいるがそれが動きがスローに見えるほど動きが早く、しかもかなり動きも洗練されていてダンスのシンクロ率は考えられないほど高い。
衣装も一人一人に合った色遣いで(日本はグループが同じ衣装を着るのが多い)しかもチンピラ風?のスーツ衣装だったのも(日本は王子様系?)興味をそそられた。
更に髪も金髪だけでなく赤やピンクに染めていた人がいたのとそれだけではなく、かなり濃い化粧までしている。
音楽は、やばいぐらい勢いがあり、ラップが多いなという印象。
つい、のめり込んで見ていくと次から次へとステージやコンサートの映像が出てきて更にのめり込んでいく。
それからBTSをかなり見るようになり、更にk-pop全体、日本との違いに興味が湧くようになった。
今回、「BTSを読む」(なぜ世界を夢中にさせるのか)という本が発売されていたのでファンという視点というより日本との違いという視点から非常に興味が湧き読むことにしました。
書いている内容
著者は現在アメリカに住んでいる韓国の方で音楽評論家です。
ですので内容が音楽評論家から見たガチの視点ですので、濃いBTSファンやk-popビジネス、日本との差に興味がある方が向いている本です。
特徴は、3つです。
- 著者が考えるBTSがなぜ世界を夢中にさせたのかの解説をデビューから現在まで書かれている
- BTSが出したアルバム曲16枚(当時)の分析を詳細にしている
- ヒップホップジャーナリストや文芸評論家、コラムニストなど7人の専門家の対談
になっています。
アルバム曲をyou tubeで追っていくと本に分析があるのでBTSがこんな感じで成長してきたんだなというのがより分かります。(ファンの方、アルバムはBTS一人一人の思いが曲に反映されているので読む価値かなりあるかも。)
また、新参者の私でも結構、曲はyou tubeにあるので振り返りやすいです。
ただ、私自身はBTSがなぜ世界を夢中にさせたのかが知りたかったので著者の解説が興味深かったのと対談はその道のスペシャリストなので非常に濃い内容になっています。
ですのでアルバム分析を抜いた目次を書いておきます。
これを見ると絶対読みたくなります。
楽曲を抜いた目次
目次
- BTS現象の秘密を掘り起こす貯めに
- KCON2014で見たもの「気になったので2014年kconをyou tubeで探したらありました。」
- K-POPアイドルの進化「これも現在進行中、tweice,izone等」
- 過小評価されたラッパー、BTS(対談)
- 戦略なき戦略の真相
- アイドルを超えミュージシャンへ(対談)
- ファンが導くメディア新時代(対談)
- 傷ついた若者のためのメッセージ(対談)
- ARMYが開いたK-POP議論
- 韓国音楽ポピュラー音楽界の視点(対談)
- BTSはアメリカで本当に人気があるのか
- 彼らはなぜアメリカで成功したのか(対談)
- K-POPにおける韓国らしさ「この発想も日本人にはないですね。」
- ニューヨークの夜空に響いた韓国語の大合唱
- グラミー賞ノミネートの本当の意味「快挙だと思う。」
- グラミー賞投票メンバーと語る(対談)
- 地上最高のボーイズバンドを超えて
- BTS現象の本質とは
- BTSのこれから
- 世界中を夢中にさせるもうひとつの理由
どの章の節も気になる題名ばかりです。
私の感想
BTSがなぜ世界を夢中にさせるのかの問いは、この本で書かれていることが複合的に絡み合ってのことだと思う。
こうだから売れるという単純な話ではない。
例えば最初に本の中に出てくるBTSは2014年のKCONで話題になって韓国でヒットし始めたという下りがあるんだがそう簡単ではない。
ヒップホップをベースにしたアイドルだったこと、メンバーの曲作りの関わり方、Big Hit社長のマネージメントやコンセプト、ARMYと言われるファンの存在など沢山ある。
本書には、これらのことが詳しく書かれており、なるほどな~と納得しながら読んだ。
当然、著者の言っていることと私自身が読んでいて「そうかな?」「そんなことないと思うけど」と思うところがあってそれはそれで面白い体験ができた。
意見が違うから吸収できる。J-popではできない体験ができているのが凄く面白い。
本書には関係ないけどBTSを中心としたk-popと日本の違い
本書には関係ないけどBTSを中心としたk-popを見ていると日本との違いについて分かるようになる。
k-pop見ていて私自身、k-popの方がいいなと思う点があるので箇条書きしてみる。
- パフォーマンスの質、完成度が高い。(ダンスや歌、構成について比べものにならないほど差がある。)
- グループを組んでいても一人一人の個性が目立つ。(中心人物を支えるというシステムではない。)
- カメラワークが素晴らしい。(カメラが如何に魅力的に撮れるかを研究し、アイドルもいつアップとして抜かれるか分かっている。)
- セットもコンセプトと合わせている。(朝の番組のセットでそのまま歌わせる、同じバックで違うアイドルを歌わせることはない。)
- アルバムもコンセプト通りに作る。しかも数年先まで見越して作る。(日本のように2曲ぐらい良い曲であと適当や全く違うコンセプト曲が入ってたりはしない。)
- SNSなどを多用し次から次へと見せる、ティーザーも盛り上げる。(日本は著作権にうるさく、リアクション動画も撮れずファンを巻き込めない、ティーザーもほぼないし、スキルもない。)
- グローバルに展開。(東南アジアは、ほぼk-pop一色なほど浸透している。若者は韓国にイメージが良い。)
- 研究生としてしっかり基礎と積んでくる。プロ意識が高い。(日本の場合、直ぐに卒業の可能性があり素人感が否めない。)
1~3は、特にあまりk-popを見ていない人でも数回見れば分かるぐらいに違います。
この視点で違いを見ると面白いかもしれません。チェックしてみて下さい。
まとめ
基本、BTSを知っている人が読む本です。
また、BTSのコンセプトなどより詳しく知りたいファンやk-popビジネス、日本との差を知りたい人が読むと「なるほど、そうだったのか~。」となり楽しいです。
私自身は、k-popビジネス、日本との差を十分感じ取れたので非常に楽しかったです。
- BTSを見たことがあり興味がある方、ファンの方(どちらかというとビジネスより)
- k-popビジネス、日本との差を知りたい方
- k-popが日本で話題になって危機感を感じている方
そうそう、最後に書いておかなくてはいけないんですがBTSは、作品の質、パフォーマンスとも他のk-popグループを圧倒しています。段違いのレベルなんです。(是非、youtubeなどで見てみて下さい。)
ファンとまではいかない私が見てもそう思います。
だからってそれで世界を夢中にできるほど甘くない。ですのでそれだけじゃない何かに興味がありました。