幸福になりた~いと思っている方。必見です。
あなたもこれを読んで理解すれば今からでも幸福になれます。
著者の岸見一郎先生は、嫌われる勇気(アドラー心理学)で有名になった哲学者。
衝撃的な本だったが深く考えると確かにと腹落ちし、今でも私の中の根底にある思想である。
本書の構成は、岸見先生の公演、人生相談の回答、「挫折」についてのインタビュー記事である。
また、文中に幾度と出てくる「三木清の人生論ノート」が出てきます。
アドラーのときにもありましたが三木はこう言っている~や三木はこのようにも言っているなど引用が多く、三木氏とは日本版アドラーと思えばすんなりくる気がします。
人生論ノート
この本のベースになっていることから簡単に。
- 著者は、三木 清(1897-1945)哲学者
- 昭和13年~16年、文芸界に掲載された人生論
- 死ついて、幸福について、懐疑について、個性についてなど23選
- 昭和29年に出た文庫版は100版を超えています。
NHKでやっている100分で名著(人生論ノート)では岸見先生が解説をしていました。
この本読んで良かったという方は人生論ノートも読んでみたくなります。
幸福感と幸福は違います。
成功が幸福?成功すれば幸福と思いますよね?そもそも、えっ?違うの?と思ってしまいます。
本書では、成功と幸福は別だと言っています。
まず、幸福感と幸福は違います。
お酒を飲んで酩酊状態に陥るのは、幸福ではなく幸福感。
耳障りが良いスローガンを声高に叫び、その時は高揚感や幸福感があるがそれが幸福かというと疑わしい。
スローガンに酔いしれている内に世の中が思ってもみない方向に進むという事がある。
確かに少し深く考えると一時的な幸福感はありますが実際幸福とは言えないということになる。
回りくどい言い方としていますが言われてみれば違いますね。
まずは幸福感と幸福は違うという事を理解しておかないといけない。
成功と幸福は違います。
例えばよい学校に入って、よい会社に入る人生が幸福と思う人がいると思う人がいると思いますが本書ではそれは成功であって幸福ではないと言っています。.
確かにこれも言えていて何かを達成した、成功したがそれが必ずしも幸福であるとは言えない。
本書は成功と幸福を明確に分けています。
成功は量的なもの、幸福は質的なもの
成功は一般的なもの、量的なもの。
幸福は各自オリジナル、その人だけに当てはまるもので区別しています。
量的なものであれば成功は真似はできます。
ただ、幸福は、Aさんがそれで幸福でもBさんが幸福であるとはいえないということです。
更に
成功は過程に関わり、幸福は存在に関わる。
成功は進歩と同じく直線的向上として考えられるそうです。
良い学校に入って良い就職先につくとか独立してお金持ちになるとか何かをやって何かを得るという形です。
しかし幸福には本来、進歩というものがないと指摘しています。
今こうして生きていることが幸福であるということ。
であるならば何かを達成しなくても幸せになれる。
人は何かを経験したから幸福になるのではなく、また逆に何かを経験したから不幸になるのではないと言っています。
幸福は「なる」のではなく、幸福で「ある」のだそうです。
アドラーにも出てきましたが「今このままで幸福である」ということに気づけば人はその瞬間から幸福になれるということです。
目標は達成したらどんだけ幸福になれるのだろうと思ってやってきたが別の目標に取って代わられたり、いつまでも幸福にたどり着けない。
成功と幸福は別のものだということを知っていることが幸福になる重要で不可欠な要素になると感じました。
この本の目次と見どころ。
- 章 成功と幸福
- 章 自分の課題・他人の課題
- 章 喧嘩に勝たない・人の期待にこたえない
- 章 今日という日を今日のためにだけ生きる
- 章 ただそこに、いるだけでいい
いや、この本深いんです。流石哲学的だなと思います。
中途半端に要約すると分けわからなくなってしまうので成功と幸福だけ一番興味がありそうなのをピックアップしました。
なので読み応え十分です。
実は本書の1章で挫折がテーマで岸見先生の半生を語られている箇所があるのですがこれには感動しました。
本書、全ていいのですが逃してはいけないのがこの挫折がテーマの岸見先生の半生です。
絶対のお勧めです。嫌われる勇気を読んだ方でも感動します。買って読んでほしい。
また章のテーマごとに質問が何問かあり、岸見先生が回答しています。
どきりとする回答ばかりで自分はこういう風に人に声をかければ良かったのに今思えば悲しい思いさせてしまったかなと思うところもあり一言一言が人生の教訓になります。
人生とは何か、幸福とは何かを考えさせられました。