小売再生(リアル店舗はメディアになる)

今現在、販売をやっている人は必ずと言っていいほど読んでおかなければならない本でしょう。

小売の経営者は必衰です。はっきり言います。従業員抱えているなら読んで下さい。

内容が現状の分析から未来の店舗のあり方まで完璧なほど書かれており充実した内容です。

これを読んで大変だと思うかワクワクすると思うか、どちらにせよ、今後の小売りの将来像が書かれています。
(将来像の方向性だけでも分かるだけで結構安心できるものです)

小売の現状、なぜここまで駄目になったのか?

著者はアメリカのことを書いていますが基本的にアメリカで起きていることは数年後の日本でも起こることが多いです。

日本ではスピードがゆっくりなだけで変化は必ずやってくるだろう。

本書では、今までの小売りの怠慢としています。(Amazonなどが台頭してきているときにインターネットの初期の頃は、全く気に留めていなく今まで通りで良いと思っていた、気づいたころにはアマゾンにやられていた)

ネットだけじゃなくそもそも小売りは物を仕入れて並べて売るだけで数百年前からビジネスモデルが一切変わっていません。
(わざわざ来店してくれたお客様に何かの体験を与えていない)

Amazonだけじゃなくアリババなどまたはインドでもテクノロジーの発達で物流にも革命が起きつつあり、手の中で収まるスマートフォンだけで買い物が完結できる時代になったことが大きい。

また、今まではテレビでCMを打ち顧客にリーチできていました。

ただ現在はテレビは見ているがCMを吹っ飛ばして見るようになり、それよりもツイッターなどの口コミを重要視するなどこの変化に対応できない企業は厳しい状態になっている。

これらの要因が小売りが厳しくなった原因と本書で説明しています。

今後はメディアが店舗に

今後は、メディアが店舗になる。

そう言われて分かるだろうか?ポイントはこうだ。

現在はお客様が購入までの流れは、このようになっている。(パーチェスファネルというモデル)

逆ピラミッドでまずは、広告などで認知してもらい製品、サービスに対する欲望を創出などをし逆ピラミッドの階段を下りておくように購入に繋げていた。

簡単に言えばCMでメディアが認知させ、店へと誘導して購入に繋げる。

しかし現在は、認知したところがスマートフォンなどで購入リンクへ飛ばしてそのまま購入できる状況になっている。

将来は、女優が着ているものがほしいなと思えばそのまま購入に繋げられるようになるだろう。

そうなるとメディアのところで購入に繋げられるのでメディアが店舗の役割を果たすようになる。

メディアが店舗になるとは、こういうことだ。

ネットでは質感や肌触りなどがあるからリアル店舗ほど上手くいかないと思うかもしれないが本書を読めば詳しく書いてある。テクノロジーで質感や肌触りなどは解決されていくだろう。

実際本書には、もう既に起こっているテクノロジーが書いてありテクノロジーの方向性さえ分かるようになっている。

現在の店舗は今後・・・。

現在のメディアが店舗になれば現在の店舗はどうなるんだろうか?必要ないのだろうか?

これは必要と予想している。ただ、現在の販売の形では今後やっていけなくなるだろう。

本書では人というのは、買い物が好きであり新しい発見が好きで店舗はなくならないとしている。

今後リアル店舗に必要なのは、独創性だったり、新しい発見や体験、触れ合いが重要になってくる。

当然店員も販売員だったものがアドバイザーなどでないと必要ないだろう。

今後のリアル店舗は、体験などを通してそのブランドを発信するメディアとしての役割を担うようになるだろう。

近い将来、現在のメディアが店舗になり現在の店舗がメディアになるという新しい世界がやってくる。

小売を続けるものとして

現状が分かったところでマインドを変えられるだろうか?

最終的には、他社に破壊させる前に自己破壊できるかがポイントになっていくる。

今後何十年の間には、今と似ても似つかない未来が待っている。

常識は作り変えられる、常にイノベーション的新しいマインドは持ち続ける必要があるだろう。

まとめ、お勧めの人

本書を読んで近い将来の小売りの姿が何となく予想できた。

それだけでも不安が減り、その分ワクワク感は増す。

また、かなりはし追ってポイントだけ独自に抽出したのでしっかり読み込み小売りの方は活かしてほしい。

お勧めの人
  • 特に小売り経営者にはお勧めです。読んでいないと生き残っていけないでしょう。
  • 販売員も必衰です。要らない人材にならないように将来の展望と知識を身につけておきましょう。
  • テクノロジーが好きな人もワクワクするのでお勧めです。

ビジネス本として質が良くかなりの良書です。

ABOUTこの記事をかいた人

現在書店員。ジャンルは、ほぼどのジャンルも経験ありますがビジネス書の担当することが多いです。 本は人生を変え、世界を変えると思っています。 単純に知ることが本当に楽しいです。