西野亮廣氏の新・魔法のコンパス。
今回は、文庫本だ。
3年前に「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」を出されているけど内容は完全に書き換えられているので安心て購入してほしい。
基本、コンセプトは一緒。
ただ、3年前に執筆したときとは時代がハイペースで変わっているので一から書き直し普遍的なルールに新しいルールを追加して時代の歩き方を示した本になっている。
どんなことが書いているか(内容)
大まかにどんなことが書いているかなんだけど何かを挑戦したり将来必要な
- お金
- 広告
- ファン
(途中に2019年3月23日、近畿大学平成30年卒業式スピーチ)
のことが書いてある。
この3つは重要で何かをやる為にはお金の問題から逃げることができない。
お金がないとその時点で挑戦が終了してしまう。なのでお金の問題はクリアしなくてはいけない。
また、お金を作るにも知ってもらうことが重要で広告の問題から逃れられない。
ただ広告はお客さんは嫌いなのでこの問題をクリアしなくてはいけない。
現在、機能や品質、値段で差別化が図れなくなった。
そうなるとどこで差別化を図るかというと「誰が働いているか?」「誰にお金を落とすか」という機能検索から人検索の時代になる。
自分をブランド化しファンを作ることが大事になってくる。
この3つのことを非常に分かりやすく解説してくれている。
お金
第1章のお金についてに印象に残っているのは3つある。
- お金は「他者に提供した労働の対価」ではなく、「他者に提供した価値の対価」だ。
- 収入を増やすには自分の希少価値を上げる
- メインの収入をどこに置くか考える
1,2,3の内一番分かりやすいのは1番。
お金は「他者に提供した労働の価値」ではなく、「他者に提供した価値の対価」
1番のお金は「他者に提供した労働の対価」ではなく「他者に提供した価値の対価」というは全うなんだけど企業に使われるサラリーマン、アルバイトだとどうしてもこれを忘れてしまう。
お金が発生するには、受け取る人がそこに価値があると思うとお金を支払うのであり、
受け取る人が提供する側の労働に対して払っているわけではない。
どんなに時間をかけた商品であっても他の人が価値があると思わなければお金が発生しない。
つまり他者に価値が見出されてお金が発生する。その人の労働ではないということだ。
ここは、基本中の基本なので押さえておきたい。
収入を増やすには希少価値を上げる
2番目の収入を増やすには希少価値を上げる。藤原和博氏が提唱するものだ。
ポイントは収入を増やすには労働時間や技術力ではなく代価ができない希少価値を上げておくのが重要ということになる。
労働時間が長ければ収入が上がるというわけではないとうことは分かると思う。
凄いところの社長さんと私では1日24時間で例え私が10時間労働でどこかの社長が12時間だとしても収入は1.2倍になるというわけではなくとんでもない差がある。ということは労働時間で収入が決まるわけではないということになる。
技術というのは一見高くなりそうだけど必ずしもそうでもないということだ。
どういうことかというと確かに職人技というと希少性があり収入が高くなる。ただ技術全般で言うとレジ打ちの技術(結構な人がやり、真似しやすい技術)やそもそも機械に代価できる技術は希少性が極端に少なくなる。
ただ、一つの技術だけでは必ずしも希少性が高いと言えないときもあるということ。
そこで職業の掛け合わせで希少価値を上げることを提唱されている。
Aという技術が10人に1人の存在だとBという技術も10人に1人の存在になり、Cという技術も10人に1人の存在になると掛け合わせて10✖10✖10=1000人に1人の存在になる。
10人に1人の存在より1000人に1人の存在の方が当然希少価値が上がる。このようにして希少価値を上げることが収入を増やす方法と書かれている。
メインの収入をどこに置くか考える
メインの収入をどこに置くかを考えるについては収入減を複数持っておくという問題とどこで収入を確保するかの問題がある。
収入減を複数確保しておかないと生活の為に将来的に自分には損と思えることでも当面の生活の為にやらざるを得ないときがあり損をせざるを得ないときがある。
なので自分のやりたいことをできる状態にする為に収入減を複数持ってお金の課題を解決しておくというのが一つ。これは分かりやすい。
もう一つは、完全にマーケティング視点がありどこで収入を取るのが良いのかというやっている。
本書の例でいうと書籍の印税で生活しているのではなく書籍はほぼ宣伝とみなす。
印税も広告にぶち込んだりして認知力を高めサブスクリプションのオンラインサロンに誘導して収入減を得る。
マーケティングで言えばフロントエンド、バックエンドに近い発想でマーケティング思考のなせる業である。
(簡単に言えばめちゃくちゃお得な価値があるフロントで興味を持たせてバックエンドに誘導し儲ける手法)
当然言うのは簡単で実際やろうとするとバックエンドで儲けるとしてもフロントエンド、バックエンドどちらも興味を持たせ価値を提供できないと意味がない。
you tubeなども最近は、you tubeで儲けるというよりも認知力を高め違うところで儲ける手法が多くなってきておりそれと同じ手法。
この3点がお金に関しての章で印象に残っているところだ。
広告について
この章のどの文章も大事だが私が気になったところを一つ。
「ニュースを出すな。ニュースになれ。」というとこ。
現在は、普通に広告を出しても全く反応をしないことも多い。
今までの一方通行の広告では聞き流されて終わり、エンゲージメントが低いなどで厳しい。
SNS時代は、お客さんが発信力を持っているので情報を受けたっと人の発信力を使う。
ニュースを出すんだけではなく、ニュースになるように仕掛ける。
お客さんが発信すると全然エンゲージメントが違うのだ。
となるとお客さんを巻き込むような戦略が必要になってくる。
ハンドルはお客さんに握らせる。
これが広告では大事になってくる。
ファンについて
ファンの増やし方などについていろいろ書いているんだけど自分自身でとにかく面白いなと思ったのは2点。
次の文化は鎖国から生まれる
どういうことかと言うと「突き抜けるには風通しの悪さが必要」だと。
え?風通しの悪さ!、風通しの良さではなくて?と思うと思うんですが良く読むと確かに風通しの良さは邪魔なときがある。
何故ならすぐ横やりが入るからだ。角が取れて突き抜けられない。
自分が思っていることをフルスイングでやるなら鎖国空間が必要と説いている。
著者は、オンラインサロンでそれを成し遂げている。
機能検索から人検索へ
現在は、技術的機能もすぐに追いつかれるし、品質も他かもすぐ高めてくる。
値段もほぼ横並び。(例を挙げると携帯キャリア3社など)
そうなるとどこで差をつけるとなるとファンを捕まえれるかどうかになる。
今までは機能で商品を選んでいたのが機能に差がないとなるとお世話になっている人から買うなど誰から買う、どこで買うかがポイントになってくるようだ。
ファンを抱えられるかどうかが存続の鍵になってきていると言っても差し支えないだろう。
ファンについては、この2点が気になったところだったが著者は、最も重要なファンの定義からしっかり解説してくれている。
これを知っているとファンというものがすぅーっと理解できる。
それを分かった上でファンの増やし方、熱狂のさせ方、戦い方など例を出して解説してくれるので非常に為になる章になっています。
まとめ(この本をお勧めの方)
これからの時代のこと、コンパスなのでほぼ全員読んだ方が良い。下手なマーケティング本よりこの本を読んだ方が余程為になると感じた。
読まないで時代に遅れても、もう自己責任に近いかも。
- マーケティングをしている方
- 店長以上の役職の方
- 学生(特に大学生)
- お店をしている方
- これから新しい時代に対応しようとする方