いやいや、またまた素晴らしい本と出会った。
シュガーマンのマーケティング30の法則という本になる。
この本の素晴らしさは、お客がモノを買ってしまう心理的トリガーに注目し、間口が広く、実戦的で読んだ後すぐに実践できる点だ。
読んで明日からでも使ってほしい。
マーケティングの本と言えば以前紹介したアルライズの売れるもマーケ、当たるもマーケ、マーケティング22の法則がある。
こちらは、どちらかというと上位概念、会社としてどう市場を取っていくか、どうブランディングしていくかなど経営者、マネージャー、店長視点になる。
今回のシュガーマンのマーケティング30の法則は、下位概念で実戦部隊の販売員、営業員向けの本だ。
感覚で売ろうなんて甘いですよ、是非店員さん、購入して読んで下さい。
読めば未来は今よりも明るい。
この本の内容
この本はどういうことが書いてあるかというとお客がモノを買ってしまう心理的トリガーについて書いてある本である。
シュガーマンが見つけた心理的トリガー30にまとめてあり、それを物語形式にして頭に残るようにしている。
実は、この物語形式が重要で頭の中で何となく場面が浮かんできて覚えていられるというのが大きい。
また、一つの心理的トリガーを物語で語った後にまとめがあり、更にアクションステップが着いている。
販売員、営業員がこの場面が出てきたら何をすればいいのかが明確なのだ。
結構ないですよ、ここまで明確にアクションステップがある本。
超実践的なのだ。
なので30の心理的トリガーを理解したとき全く違う販売員、営業員がいることになる。
心理的トリガーの一例(アイスクリーム事件)
アイスクリーム事件とは私が勝手に名付けたんだけど物語はアイスクリームの注文手順の話。
ある日、アイスクリームが食べたくてアイスクリーム屋さんに入る。
そこで著者は注文の際、チョコレートアイスにホイップクリームを添えたものを注文。
店員は怪訝な顔をして(メニューになかったものと思われる)それはチョコレートサンデーのことなのかを聞いてきます。
著者は、チョコレートアイスにホイップをつけてほしいと頼みます。しかし店員は、それはチョコレートサンデーのシロップ抜きになると言い張ります。(何が違うかというとサンデーは35セント、チョコレートアイスは25セントになる)
これがまた別の店でも同じ押し問答になる。
なので著者は次の店ではチョコレートアイスだけを頼みます。ただ、やはりホイップクリームをつけて食べたくなり店員が席を離れたちょっとしたところで声かけて「すみません、ホイップをつけてもらえる」と頼みます。
するとお会計が25セントになっていた。あれ?と思い別の店でも店員の去り際に頼んでみたら同じ結果に。
ここでシュガーマンは、ある法則を発見し再度確認する為に友人と一緒にアイスクリームを頼みます。
友人は普通にチョコレートアイスにホイップつきを頼みます、著者は、チョコレートアイスを頼んだ後に去り際に「ホイップをつけて」とお願いする。
そこで出てきたものは、全く瓜二つのアイスクリーム。
値段はというと友人は35セント、著者は25セントという結果に。大雑把にいうとこんな物語だ。
値段の違いは何故でしょうか?
注文の仕方で同じ商品の値段が違うというのは一旦どういう心理か。
最初のチョコレートアイスクリームの注文を受けいれた店員が急に追加されたホイップがあっても最初のチョコレートアイスクリームという注文を守ろうとする原理だと考えられる。
答えは心理的トリガー「一貫性の原理」になる。
でもこの本の凄いのは、まとめてくれていてアクションステップも書いているところ。
抜粋
・心理的トリガー1一貫性の原理
一旦購買決定したお客は、「ついで買い」をするなど、最初の購買行動と一致した行動を取り続けようとする。
・アクションステップ
・買い手が購入を決めた瞬間に、ほかの商品を勧めよう。
・電話セールスでは、注文を受けたあと、すぐに別の商品を売り込もう。
・対面販売では、今買ってもらった品の付属品やそれに類した商品も一緒に買ってもらおう。
多少マーケティングに詳しい人は、買うと決めたお客に他の付属品も売る方式はアップセル・クロスセル手法だなと分かると思いますが一貫性の原理があるというのは案外知られていないのかもしれません。
(言われたままに買うと決めた客に売るのがいいんだよと知識で知っているだけ)
更にまとめには書いていないがシュガーマンは、ポイントはまずは最初に簡単なものを買わせる、そうすれば他のものを買わせるのはお客が買うと決めているので苦労しないと言っています。これはフロントエンド、バックエンドというマーケティング方式にも繋がります。
ここまで読んでどうだろう?心理的トリガー1だけでもめちゃくちゃ勉強になったのではないだろうか。
これが30個詰まっているのだ。読まない手はない。
最後に
最後にもう一度言うが販売員、営業員にとにかくお勧めしたい1冊だ。
整理整頓や接客、陳列などの販売員の売り方の本はよく見かける。
ただ、心理的トリガーにフォーカスした本は、ほぼないんじゃないだろうか?
それだけ貴重な本である。
これからは言われたことしたできない店員なんて機械に取って代わられ、売り方を知っている定員しかいらないんじゃないだろうか。